期待の明確さ
トレーディング心理には多くの要素が絡み合っており、金融に関する決断を下す過程では数々の行動が表れます。
トレーディング自体も複雑な活動であり、相次いで起きるさまざまな試練によりストレス、期待、恐怖といった感情が掻き立てられます。こうした感情はやがて、不合理または偏った判断、あるいは単純な判断ミスにつながり、不本意な取引結果をもたらします。
これら感情的要因の影響をコントロールする方法を身につけるには、自分の内面に向き合い、感情だけでなく、感情による取引への影響も認識する必要があります。これは同時に、本能的感情(取引での直感)が外的要因にも左右される可能性があることを認識することでもあります。そうした外的要因の1つが「期待の明確さ」です。
取引での直感は、3つの要素で構成され、期待の明確さはその1つです。ちなみに、他の2要素とは感情的バイアス(バイアスがかかっている可能性のある情報を使用)と曖昧さの回避(未知のことへの恐怖心)です。
期待の明確さとは通常、結果に対する期待に焦点をあてて、期待する事柄の達成がおろそかになる感情を指します。この感情が強くなりすぎると、期待に心を奪われ、実際の目標を達成する過程がかすんでしまいます。
言い換えると、成功そのものより、成功するかもしれないという期待感に興奮を覚える状態に陥ります。ただし、この感情は「行動」を抑制することになるため、取引の成功を妨げる可能性があります。
習慣的な行動を正す
人生におけるほとんどの事柄同様、古い習慣は正すことで新しい習慣を身につけることができます。これは、「期待の明確さ」にも言えることです。
「もしこうなったら」という期待にとらわれるリスクを軽減するには、自己認識力をつけることが効果的です。具体的には、一旦冷静になって特定の感情や習慣により合理的な思考能力が抑制されていると認識することを指します。主観的な考えにとらわれるあまり、客観的なデータが見えなくなっていることに気付くことでもあります。 では、どのようにして決断の拠り所になっているこの習慣的思考を正すことができるでしょうか。
- 取引計画を立てる 取引の参入と撤退の基準を設定することができます。特定の取引決断に至る段階を定めた枠組みを作ることで、決断が感情に流されにくくなります。取引での直感は有利に働く場合もありますが、その根拠は主観でなく知識とデータでなければならない点に注意しましょう。
- 判断ミスを恐れない 取引活動に判断ミスはつきものであり、教訓を得る絶好の機会ととらえましょう。
- 取引関連の学習を継続する 市場と潜在的な取引結果の理解を深めるメリットがあります。例えば、国際的なニュースや出来事、重要な経済発表をフォローすることができます。
- 明確な目標を設定する 取引目標を明確にして、その達成に集中しましょう。感情が常識的判断を狂わせることがないように、取引目標の達成に役立つ単純な戦略に集中すると、感情を抑制できるようになります。